「紙1枚に書くだけでうまくいく『プロジェクト進行技術が身につく本』」前田 考歩 後藤 洋平
「プ譜(ぷふ)」
って響きが良くないですか!?
いつもの仕事よりもハードルがかなり高い!
でも PMBOK※1に則ったプロジェクトマネジメントの本通りにスコープ(実行する範囲)を定義したり、WBS※2やRAM※3やガントチャート※4を作るほどでもない・・・そういうの作るほど大きなプロジェクトでもない・・・。そういう時ありませんか!?
そんなとき、非常に最近役立っているのが、プ譜!
プロジェクトの楽譜(がくふ)や譜面(ふめん)のような存在だということで著者が名付けた「プ譜」。
楽譜があると、楽器をうまく演奏することができますね。
同じように、プ譜があると、プロジェクトをうまく進めることができるんです。
但し、この本通りに「プ譜をちゃんと使えば」です。
プロジェクトの進行をはじめて任された!という方には特におすすめです!!
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紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本
※1)PMBOK:Project Management Body of Knowledge プロジェクトをうまくやり遂げるための方法や知識、ツールなどを体系化した世界標準のこと。これ系の本はたくさんあります。
※2)WBS:Work Breakdown Structure 作業を小さなカタマリ(パッケージ)分解したもの
※3)RAM:Responsibility assignment matrix 責任分担表・・誰が何をいつまでに行うか等を記述する表/シート
※4)ガントチャート:Gantt Chart プロジェクトや生産管理などで使われる表。通常縦軸にタスク(プロジェクトを達成するために行う業務)、横軸に日付を書くスケジュール表みたいなもの。
偉そうに「プ譜ちゃんと使えば」とか書きましたが、すみません。誰でもマネすることができる簡単な作業です。決まった型、フォーマットに決まったことを書くだけなんです。
一番難しい(と言いますか、ありがちな)ことは、途中で修正しなくなることです!
みなさんもご経験があるかと思いますが、プロジェクトを進めていると、必ずといって良いほど、予想外のことが起きます。障壁が出現します。思っていたように進みません。
だからこそ、大きなプロジェクトでガントチャート等を何度もメンテナンスするように、プ譜もその都度、局面によって修正が必要です!
そこをちゃんとやれば、必ずプロジェクトはうまくいきます!
しかも、(個人的にはPMBOKのプロジェクトの進め方も好きですが)プ譜はシンプルなテンプレートで誰もがわかりやすいです。
誰もがゴールや途中のあるべき姿を思い描くことができ、何をいつまでにやらなければならないかが明確にわかる、メンバー同士の心が1つになる。
そんなシンプルさ、気軽さがとても気に入りました。
さすがに何十人も巻き込んでのプロジェクトでは少しキビシイかなと思いますが、そこそこの人数で、けっこうハードルの高いプロジェクトを進める時には、この「プ譜」本当におすすめです。
↓↓ ちなみにPMBOK系でおススメの本は、定番ですが、下記です! ↓↓
世界一わかりやすいプロジェクトマネジメントは、かなり分厚い本です。
でもご安心ください。スペースすごく多くて時数は少なめです。
私は「PMプロジェクトマネジメントPMBOKガイド」で勉強してプロジェクトを進行しました。「世界一わかりやすい~」は、補助的な感じで役立ちました。スペース多いので、ノートみたいになっていましたが・・・。
この本のポイントです。
第1章:なぜプロジェクト進行が重要なのか
第2章:プロジェクト進行の基本をおさえる
第3章:プロジェクト進行における6つの落とし穴
というように、はじめの3つの章では、そもそもプロジェクトとはなんだ?というところから始まります。ですので、
初めてプロジェクトを任された!という方にもすごくおススメなんです!!
そしてついに第4章から、実際にプ譜の使い方が説明されます。
殆ど全てのページがカラーのイラスト付きで説明されていますので、超わかりやすいです。
そして、気になる「プ譜」のテンプレートがこのような感じです。
(字が見にくくてすみません!)
すごくシンプル!
だから取り組みやすいし、メンテナンス(書き直し、書き足し、修正や変更)がしやすいのです。
左側の「廟算八要素」(びょうさん はちようそ)。
ここだけプ譜で私は好きになれないところでした。
どうせなら、ここももっと読みやすい表現にしてほしかったです。
でも、自分のわかりやすいように書き換えても問題ないのですが、、、
廟算:びょうさん・・・はかりごと。古代中国で戦争を始める前の作戦会議のこと。
(その意味を知って、なるほど・・・と思いました。)
そして、どんな感じに使用するか?
というのをイメージしていただくための図が、下のような感じです。↓
書いていく順番に簡単に説明していきます。
①獲得目標
自分で決めたことや、上司・クライアントから与えられた、プロジェクトの目標・ミッションを書きます。
②勝利条件
「プロジェクトの獲得目標がどうなったら成功といえるか?」という判断基準・評価指標となる条件を書きます。
③中間目的
製品の機能やサービスの仕様、組織などが勝利条件を達成するための「あるべき状態」を書きます。1つの勝利条件に対して、複数の中間目的がありえます。
(PMBOKでいうとマイルストーンに近いですね)
④施策
中間目的それぞれの「あるべき状態」を実現するための具体的な行動を書きます。
1つの中間目的に対して、複数の施策がありえます。
(PMBOKでいうと、WBSで明確にした作業パッケージの感じですね)
①から④で書き出したものを、矢印つきの線でつないでいきます。
線でつなぐことで、「この行動をとればこの状態がつくれる」という辻褄(つじつま)が合っている状態(因果関係)を表していきます。
⑤廟算八要素(びょうさんはちようそ)
人材や予算、スケジュールといったプロジェクトを進めるための所与※のリソースや条件を書きます。
※所与(しょよ):他から与えられること。与えられたもの。特に解決すべき問題の前提として与えられたもの。
最後に、プ譜を書いた日付を右上など任意の見やすい場所に書きます。(上の写真では書いていませんでした。すみません!)
★プ譜では、獲得目標や勝利条件といった「ありたい姿」から逆算して具体的な行動を考えるため、理想的な状態・進め方が描かれます。
そういえば、売れている書籍「地頭力を鍛える」にも書かれていました!
- ①「結論から考える」仮説思考力
- ②「全体から考える」フレームワーク思考力
- ③「単純に考える」抽象化思考力
この本も役立つ本でしたがご紹介できていません。すみません。。。
やはり、超ロングセラーの「7つの習慣」でも書かれていたように、「終わりから思い描く」というのが目標必達への定石なんでしょうね。
著者前田氏は、自動車、映画、地域活性、防災、育児、離乳食、動画など、さまざまな業界と製品のプロジェクトマネジメントに携わる。大人・子供を問わず、プロジェクトを興し進めていく力を養成する「プ譜ワークショップ」のほか、子供が自ら「問い」をみつけ、表現し、主体的にものごとに取り組む視点や力を養成する「なんで?プロジェクト」を主宰。
著者後藤氏は、東京大学工学部システム創成学科卒。「なぜ人と人は、考えたことを伝え合うのが難しいのだろうか」を生涯のテーマとしている、プロジェクト進行支援家。
想定外のトラブルが絶えない現場を前進させる方法論「プロジェクト工学」を考案し、2018年に「予定通り進まないプロジェクトの進め方」を上梓。
以上簡単にご紹介させていただきましたが、本書では著者が実際にプロジェクトとして進めたものをプ譜を使ってどのように成功へ導いたか、をイラスト付きで1つずつ具体的に解説してくれています。中学生や高校生のうちに、こういう考え方を教わりたかったなーと思う今日この頃です。
初めてプロジェクトを任された方や、このプロジェクトはPMBOKのプロジェクトマネジメントをするほどでもないなぁ と思った方は、ぜひお試しください。プロジェクトメンバーとの共有やベクトル合わせに効果絶大でした。おすすめです!
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紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本(翔泳社)