「考え方」には「コツ」がある。
そして哲学は、そんな数々の「コツ」の宝庫なのだ!
(苫野 一徳)
哲学とかリケジョの私には全く興味関心が無かったけど、
こんなにも仕事で役立つ「考え方」「思考法」が学べるとは思いませんでした。
特に、最近たくさんのビジネス書で「このVUCA時代には【対話】が必要である」と書かれていますが、この「対話」をどのように生み出すか?
対話でゴールとするべきものは何なのか?
対話するにあたって気を付けるべきことは何か?
価値観や認識の違う人たちと、どうやって「対話」すれば良いか?
考え方のコツとは何か?
というようなことが、初心者でもわかるように丁寧に書かれています!
「哲学」と聞くと、特別な「考えることが好きな人の学問」とか、「モノゴトを複雑に考え抜く学問」とか、「実生活に大して役に立たない」というイメージを持たれているかもしれませんが、そんなイメージをきれいさっぱり払拭してくれます(≧◇≦)
これを1000円以下で読んで学べる時代、本当にすごいと思います!
著者も、長年研究し続けてきたことを、惜しみなく本にまとめることに初めは躊躇していたようですが、やはりこれからの社会のために、
この哲学の 考え方の「奥義」
を世に共有して、より良い社会にしたいという気持ちで上梓されたというエピソードも書かれています(#^.^#)
この本は浅田すぐるさんも影響を受けた本として、前回ご紹介させていただいた下記の本で推薦されています!
その他、今まで10,000冊以上本を読まれてきた浅田すぐるさんがおススメする本を30冊ほどもご紹介されており、それだけでも超価値がある本だと思います(#^.^#)
著者は、1980年生まれ。熊本大学准教授。博士(教育学)。
早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。
早稲田大学教育・総合科学学術院助手、日本学術振興会特別研究員などを経て現職。
専攻は、哲学・教育学。
著書に「子供の頃から哲学者」、「『自由』はいかに可能か―社会構想のための哲学」、「教育の力」、「勉強するのは何のため?―僕らの『答え』のつくり方」などがある。
この本を読んだ目的は、
「哲学的思考とはどのようなもので、どう活かせるのか?」
を知りたかったからです。
そして、私が導いた答えの1つとして
私たちの認識は、根底にある欲望からきていることを理解する。
そして本書に書かれている各種哲学的思考を使いながら、
共通了解志向型対話を実践し、
複雑な課題解決に活かすことができる。
これです(≧◇≦)
少しかみ砕いていきます♪♪
・哲学的思考って何?
①本質観取によって、本質を洞察し、思考の始発点を敷き、問い直し、共通了解を見出す思考法である
②「一般化のワナ」「問い方のマジック」「事実から当為を導かない」「命令の思想から条件解明の思考」などの哲学的思考がある。
③欲望相関性の原理を用いて考え、共通了解志向型対話を行うこと。
3つにまとめましたが、本書を読まないと
「ん?なに??( ゚Д゚)」
となってしまうと思います(/ω\)
なるべくシンプルに頑張ってまとめます!
本質観取というのは、モノゴトの「本質」を見出すことです。
科学は、観察や実験を通して”事実”のメカニズムを明らかにします。
それに対して、哲学は独自の方法で物事の「本質」を洞察します。
(洞察・・・観察して奥底にあるものを見抜くこと)
著者は
「哲学する」とは「本質観取する」ことと殆ど同義だと言っていい
そう仰っています!
共通了解とは・・・
絶対の正解のない問題に、それでもなお 誰もが納得できる「答え」を見つけ出すことを哲学的思考は可能にしてくれます。
その「誰もが納得できる答え」のことを「共通了解」としています。
決して妥協案ではなく、対話を通して生み出される「第3の案」となる「答え」です。
一般化のワナとは・・・
誰もが自分の経験を元にして考える。自分の経験を元に色々なことを認識してしまっている。
そのこと自体に特に問題は無い。
でも、そうした自分の経験を過度に「一般化」して、まるでそれが絶対に正しいことであるかのように主張したとしたら、それは大きな問題だ。
対話において重要なのは、こうした「一般化のワナ」に陥ることなく、お互いの経験や考え方を交換し合って、どこまでなら納得し合うことができるのか、その「共通了解」を見出そうとすることだ。
「問い方のマジック」「事実から当為を導かない」「命令の思想から条件解明の思考」などについて書くとかなり長くなるので、そこは本書で是非読んで味わって役立たせていただきたいと思います(≧◇≦)!
・なぜ哲学的思考が必要なの?
①意味の世界よりも事実の世界での言い合いでは、良い解決策が見いだせないから。
②あらゆる問題が複雑化してきている。複雑化している問題の中では対立が起きやすく、その対立が激しくなる傾向がある。そんな中で、その対立を乗り越えるために必要な思考法だから。
③欲望のすり合わせなしに、共通了解は得られないから。
「自由の相互承認」が必要だから。
・この哲学的思考をどう活かしていく?
①会社のプロジェクトメンバーや同僚にも読んでもらい、討論や議論よりも対話が有効であることを知ってもらう。そして実践して「共通了解」を見出すために一緒に実践する!
②クライアントでよくある「製造」と「販売」の対立に活用する。
クライアントに共通了解志向型対話を学んでいただくために勉強会を実施する。
③わたしのファシリテーション力を上げて、妥協案ではなく、共通了解になる「第3の案」が出るまで対話を促す。
オーナー社長や頭の凝り固まった管理職の方に「事実から当為を導かない」「命令の思想から、条件解明の思考」を学んでいただき、若手社員から成長の機会や発想を奪わない風土や環境づくりに協力していただく。
「対話」といえば、最近ご紹介させていただいた下記の書籍が非常に実践的に役立ちます!「問い」を活用して「創造的対話」を促すベストセラー本です!
この本を読んで哲学的思考を駆使すれば、
なぜ議論が前に進まないのか?
なぜ問題が解けないのか?
が分かるようになります。
そしてその問題を力強く解き明かしていけるはずなのだ!
と著者は言います。
本当に役立つ1冊です!!
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