この本「『15分ミーティング』のすごい効果」は、
「ミーティング」は、問題解決や社員の成長、そして 売り上げを上げる「ツール」
としているところがすごく面白い本です。しかもその「ツール」としてのミーティングのやり方を4つのステップでわかりやすく書かれていて、読んだらすぐに試せて、効果が出ます。ミーティングの仕方なんてわかっているよ、と思われる方も、必ず新しい気づきが得られる本なので、紹介します!
「戦略を、実行できる組織、実行できない組織。」や「実行する技術4DX」はちょっと重いな・・・と思う方にも超おススメです。4DXのポイントが全てではないですが、かなり詰まっています。
何かあったら会議、問題が発生したらとりあえずミーティング、情報共有だけの会議、結局決めたいことが決まらず、時間の無駄だったと思う会議、そんな時間のムダな会議やミーティングを劇的によくしたいと思っている方必読です。
また、上司、同僚、部下といつも意見がくいちがい、結果として仕事もうまく進まず、チームがまとまらない!と悩んでいる方にもおススメの本です。矢本流ミーティングは「現場のメンバーが短時間で、会社の方向性を理解して具体的に実現する方法を”考動”する場」と変えてくれます。
著者は「ミーティングコンサルタント」であり、(株)チームサポートプロ代表。ホテルマンとして10年間勤務後、2004年当時低迷していたブライダル運営会社に営業責任者として転職。衰退産業とも言われるブライダル業界において、設備投資、人員の入れ替え、安売りにも頼らず、会議・ミーティングを工夫して売り上げを3年間で3倍にする。
矢本流ミーティングの特徴として
「短い時間」に、「少ない人数」で、「(お客様情報をもつ)現場のスタッフ」が、「全員参加型」で会社の方向性を理解した上で、「前向き、主体的」に、「成果の出る会話パターン(考動&軌道修正)」を、「繰り返して定着」が可能になる。
じゃあ、どうすれば、現場のスタッフや社員が「前向き、主体的」になれるの?
成果の出る会話パターンってどんな会話パターン?
とか、いろいろ知りたくなってワクワクして読みました。
ポイントとして、
「15分ミーティング」の大まかなステップ
ステップ1:質問、アイデア(提案)出し
進行役かリーダーがテーマを決め、参加者に質問を投げかけ、それぞれが提案
・アイデアを出し合う
ステップ2:提案・アイデアを整理して決定する
チームとして「何をするか」を決める。本当の意味での「合意」が大事。
ステップ3:決まったことを実行する計画を作成する
「空いている時間に」、「詳細は後日」ではダメ。できる限りこの段階で実行計画を作成する。
これが基本ステップ。ただし、このままではやりっ放しになるので、後日
「軌道修正ミーティング」で最後(目標達成)まで実行していく。
・人を変えるのではなく、会話のパターンを変える。
問題を解決して未来を創造できる(成果の出る)パターンに変えていく。最初は15分という時間にこだわらず、「成果の出るパターン」にこだわる。
そのために大事なのは質問。質問は大きく分けて「過去視点」と「未来視点」がある。
「未来視点」の質問のキーワードは、「今後は?」である。
「なんでこんなミスをしたんだ?」、「どうして今月こんなに成績が悪いんだ?」という過去視点ではなく、
「同じミスを繰り返さないために、今後何をする?」
「成績を巻き返して予算に近づけるためには、今後何をしたらいいと思う?」
というような「未来視点」の質問が重要。
「なぜこんなことに なったのか?」を話すことは、原則として「タブー」にするぐら
いの気持ちがほしい。
過去を分析するっことは大切だけど、前向きな話し合いの方もっと大切。
一番の問題は、分析や原因追及が「人」に向かうこと。
「過去にとらわれず、周りのせい(他責)にせず、自分たちの力でより良い未来を創造する」が、ミーティングで考えるたったひとつのこと。
・課題というのは、裏を返せば「進化のチャンス」
「今後は?」のキーワードに「みんなで」、「自分たちで」というキーワードを足す。
→全体視点と主体性が生まれる。
「今後、集客を改善するために、みんなで何をしたらいいと思う?」
「できる、できない」を勝手に判断するのではなく、一度可能性を広げて考える。この質問で、アイデアと同時に「柔軟に広く考える力」の育成につなげる。
・意見を効果的に集約する
自分の考えを発言する前に、必ず「3分で複数(2~3案以上)」の提案を付箋に書く。
「考えて書く」 というミーティングを繰り返せば、自分で考え、提案してくれるスタッフになる。普段の職場から気づいたことをどんどん改善提案するようになる。
最初はなかなかアイデアや提案が時間内に出てこないかもしれないけど、最終的な目標としては、「3分で全員が指定された数の提案・アイデアを出す」ことが重要。
大切なのは、「質より量」。決められた数を書くことが優先。
いきなり話すということは、「話す作業が最初のアウトプット」になる。それを一度書くことで、「書く作業が最初のアウトプット」となり、整理されたもの(書いたもの)を発言とするから、まとまっていて聞きやすい。
自分の提案・アイデアを「書いているから、落ち着いて人の発表が聞ける」。書いていなかったら、人が発表している間も考え続ける → 人の話をちゃんと聞けない。
・付箋(フセン)に書くメリット
1提案につき、付箋1枚に書く。
付箋だから動かしやすく、整理しやすい。
みんなの意見・考えが、見える化できる。
書き間違いや聞き逃し、聞き忘れがなくミーティングが進められる。
撮影すれば、それが議事録になる。(議事録作成の時間もいらない)
「書いて提案」して、個々の考える力を育成。それをみんなが見て「共有」。
・「発言を聞くとき」の5つのポイント
①発言内容を裁かない
②むしろ違う考えを歓迎する
③聞きたいときに質問しない
④話は最後まで聞く
⑤誘導しない(自分が逆の立場でされて嫌なことはしない)
・問題は「チーム」で解決する
個人では無理でも、チームで知恵を絞れば、可能性は無限。
そのチームで解決できない問題は、そもそもやってこない。
より良く進化していくために、目の前の目標を達成するために、障害となっている問題を受け身でフタをして見て見ぬふりではなく、自分たちが考え行動し、解決して未来を創造することが目的。
・提案の整理は「人」をキーワードにする
ミーティングにしろ、会議にしろ、うまくいっていない会社に限って正しい判断にこだわりすぎて、「決断」に時間がかかり過ぎている。
唯一正しい決断もあまりない。
分析に時間をかけすぎ、「熟考」とう名のもとに判断を先送り → ダメな会社。
→今の時代、経営は早く決めた方がうまくいく
(米ベイン・アンド・カンパニー調べのデータを用いて著者が説明)
スピーディーに意思決定するには、どうするか?
まずメンバーの提案を整理する。整理するポイントとしては、「人」を軸にすること。つまり、「誰が誰に」アプローチするか?という視点で提案・アイデアを分けていく。担当を決められないものは、「その他」にまとめておく。
「誰から誰への提案・アイデアが多いか?」
「複数人かぶっている提案は何なのか?」
などがひと目で見える。 → 素早く決断することが重要。整理はザックリで大丈夫。
全ての提案が整理できたら、「この場でどれを採用するのか」を、リーダーが即断即決する。(リーダーの決断力が重要)
・決断のポイント
「コスト・労力を最小限に、成果は最大限」がポイント。では、少ない選択で成果の出る決断のポイントは何か?それは下記4つ。
①すぐできる - 時間がかかる
②コスト安い - コスト高い
③会社にとって重要 - 重要でない(ミッションに沿っているか、いないか)
④成果が見込める - 成果が不透明(見込めない)
(TCIS)
(つまり、時間、コスト、重要性、実現可能性・成果・貢献度あたりで表にして
◎〇×△などをつけて、点数化したら客観的にも決断しやすいかも)
・実行する事柄の「管理者」を決める
(実務者・担当者ではなく、『管理者』)
単純に「提案した人がやる」はNG。まずは自薦、そして他薦。
「管理者」の定義は、「全部自分がやらなければならない人」という実行者という意味ではなく、「計画通り実行されるように管理監督する人」という意味。
「管理者2名体制」がおススメ。
(管理者を1人にしたら、その人の責任感が増して、実行力が高まる というようなことは、著者自身経験が無いらしい)
決めた理由を説明すると、組織の溝が埋まっていく。
長い時間をかける必要は無いけど重要な説明時間。
参加者(部下)にたくさんあった提案・アイデアのなかで、
「なぜこの提案を決定したのか?」
「誰に管理者になってもらいたいか?」
「どんなふうに(最終のイメージや実行期間)進めていってほしいのか?」
を説明して「理解度(距離)の溝を埋めていく。
・強い組織にする5つのポイント
①1度決めたらみんなでサポートする
②「誰かが失敗したら自分にも責任はある」と考える
③「ダメ出し」するときには、必ず提案書をつける
④提案を却下されたら上司が悪いのではなく、プレゼン不足だと考える
⑤自分が部下からされて嬉しいことを、上司に対して行う
この5つの約束事がきちんとできていると、組織は自然に強くなる。
・ミーティングの最後には必ず「計画ミーティング」を行う
・計画ミーティングのなかで決められることは決めていって持ち帰らない
・新しいことにチャレンジするときは、「最初の1歩」が重要
・スタート後の第1歩で大切なのが、「日程・時間調整」
これをミーティングで決めてしまう
・いつまでに終わらせるかという「期日」より、「いつの時間に実行するか」という「実行日時」を重要視し、決める
・計画時に決めるべき5つのポイント
①何をするか
②誰と誰がするか
③いつまでにするか
④いつの時間にどんな順番で薦めていくか(実行日時)
⑤これをする「本当の目的」をメンバーが共有する
(①と②はリーダーが決める。③から⑤は管理者2名が決める)
・軌道修正ミーティングのポイント
成果を出すために大切なのは「軌道修正能力」
決まったこと、その後の進捗は必ずチェックして共有する。
→ 「軌道修正ミーティング」を定期的に行い、組織として実行力をサポート。
(まるで4DXのWIGセッション!)
・計画が進まないときの4つの判断
①期日を修正して、実行する
②実行日時の確保を優先する
③管理者を入れ替える
④計画を変更する
一定期間(1,2か月)、月に2回~4回開催し、軌道修正(変更・修正)を繰り返す
→ 100%成果が出る!
著者は、ミーティングのやり方次第で社員のやる気と実行力が向上すること、そして売上も上がり、人材育成にも役立つことを経験。より多くの会社をサポートしていきたいと2010年に起業。日本初の「ミーティングコンサルタント」として講演・コンサルティング・企業内研修など幅広く活躍中。
この本も本当に実践的でした。各ステップのポイントをふまえて矢本流ミーティングを何度か実践しているうちに、自分が変わって、同僚も部下も変わってチームが強くなる。そして組織も変革されて売上も上がる。そんな本格的に役立つミーティング方法が惜しみなく書かれています。「うちの会社の会議やミーティングをもっと実のあるものにしたい」そう思っておられる方には、超おすすめです。
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