ビジネス書 自己啓発本 「本当に役立つ本」 紹介 !

年間100冊以上好きで読んでいますので、アウトプットしようと決意。できるだけ質のいい、活かせる情報を。

「お金2.0」  佐藤航陽

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インダストリー4.0、Society(社会)5.0、モチベーション3.0など「何.何」という数字がつく本が多い。。。産業革命の4回目、社会の5段階目、モチベーション(やる気)の3つ目、とかいう感じ。なのでお金も第2段階に入ってきたー!ということなのです。

 

「新しい経済のルール」とこれからの「生き方」について、お金をテーマにして読み解いていく本だということは、タイトルと目次でわかりましたが、それ以上に内容の濃さに驚きました。「そもそもお金の正体って?」、「これからテクノロジーはお金をどんなふうに変えていくの?」、これからは「『資本主義』から『価値主義』って、それどういうこと?」、「お金から解放される生き方ってどんな生き方?」などなど、そんな疑問を根本から解消してくれる本です。もちろん経済のことやビットコインフィンテックブロックチェーン、シェアリングエコノミー、トークンエコノミーなどのバズワードの知識吸収にも良いですが、何と言っても先ほどの疑問の答えを佐藤氏流にわかりやすく解説しています。少々とっつきにくい内容もありますが、じっくり読むと今はやりの働き方改革にも使える1冊であり、同時に「これからの経済で生きていくには絶対知っておくべき内容」が満載!ということがわかりました。

お金2.0

経済っていうのは、人が関わる活動(社会や企業などなど)をうまく回すための仕組みであって、その経済っていうのは今までは ”国家” が作ってきた
しかし!それが最近は国家じゃなくても「経済をつくれる世の中」になってきている。そんな世の中で会社を経営する経営者になるには、よくできた「経営システム」をつくれるようにならなきゃいけない。
またこれまでの「中央集権化」とは逆の「分散化」への変化が、これから10年で進んでいく。特に経済とお金の世界では。その分散化時代では、ユニークな「価値」をつくって、世の中に役立たせる経済システムをつくれる人、企業、存在が大きな力をもつ。
ごくごく一部の要約ですが、そんなことがいろいろ書かれています。

 

著者の経歴よりも、著者の幼少期や青年時代に興味をひかれました。著者は小学校高学年くらいのとき、「どうやら我が家には『お金』がないらしい」と気づきました。お金をたくさん持つ家に生まれた子供はたくさんの機会が与えられ、そうでない家庭に生まれた子供には選べる道が少ないんだ。「人生って平等じゃないんだな」。そんなことを幼少期に感じ、次第にその感情が怒りとなり「人間はどんな境遇であっても何者にでもなれるということを証明してやる!!」という ”思い” が著者の生きる原動力になった。そんなことを思うようになった原因である「お金」とは何なのか?そんな疑問から「資本主義って何なん?」、「今の社会の仕組みが本当にベスト?」、「もっといい仕組みは作れないのか?」など、どんどんどんどん調べては仮説を立て、検証して、また疑問が出る。また答えの仮説を立て、検証して・・・と繰り返すうちに、このようなベストセラーを書けるまでになったのです。なんかスゴくないですか。

 

ポイントとして、
・現実はおおよそ3つの異なるベクトルがあって、相互に影響を及ぼしている。それらが未来の方向性を決めている。その3つとは、「お金(経済)」、「感情」、「テクノロジー」。お金の影響力は確かに強いけど、人の感情を無視しては持続することはできない。

 

発展する「経済システム」の5つの要素とは、インセンティブ(報酬)、②リアルタイム(変動)、③不確実性、④ヒエラルキー(階層序列)⑤コミュニケーション(交流)である。これらの要素をうまく使っているのがフェイスブックなどである。確かに持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」の仕組みになっている。

 

①報酬の説明として、「現代は生物的な欲望よりも社会的な欲望が目立ってきている。中でも頭文字をとって3M(儲けたい・モテたい・認められたい)の3つが欲望としては特に強い。これらを満たすようなシステムは急速に発展しやすい。」

 

②変動(時間によって変化する)の説明として、「常に状況が変化するということを、参加者が知っていることが重要。」

 

③不確実性(運と実力の両方の要素がある)の説明として、「不確実性が全くない世界では、想像力を働かせて、積極的に何かに取り組む意欲が失われてしまうから。」

 

④階層序列(秩序の可視化)の説明として、「世の中は、偏差値、年収、売上、価格、順位のような数字として把握できるものから、身分や肩書のような分類にいたるまで、階層や序列にあるれている。優位なポジションを手に入れた者は、その地位を守ろうとうので、新陳代謝を強制的に促す仕組みを組み込んでおく必要がある。」

 

⑤交流(参加者が交流する場がある)の説明として、「参加者同士が交流しながら互いに助け合ったり議論したりする場が存在することで、全体が1つの共同体であることを認識できるようになる。」

 

経済に持続性をもたらす2つの要素とは、①寿命、②共同幻想である。
①寿命について、「経済システムを長続きさせたい場合、それ自体の寿命をあらかじめ考慮に入れておくことが重要。最初から完璧なシステムを作ろうとせずに、寿命が存在うことを前提にし、寿命がきたら別のシステムに参加者が移っていけるような選択肢を複数用意しておくこと。」

共同幻想について、「参加者全員が同じ思想や価値観を共有していることが重要。参加者が共同の幻想を抱いている場合、システムの寿命は飛躍的に延びる。利害が激しくぶつかり合う場合でも、参加者が同じ思想や価値観を共有している場合には、互いに譲歩できる着地点を見つけられる可能性が高くなる

 

・今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということ。価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっている。

 

・今後は、目に見える「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できる。つまり、「資本主義」から「価値主義」へと流れてきている。すると営利と非営利の境界線が消える。そして経済と政治の境界線も消える。

 

価値には3つある①有用性としての価値(役に立つ価値)、②内面的な価値(愛情・共感・興奮・好意・信頼など)、③社会的な価値(個人の利益などではなく、社会全体の持続性を高めるような活動→砂漠に木を植える、発展途上国に学校をつくるなど)。

 

・人生の意義や目的とは欠落・欲求不満から生まれるものだが、あらゆるものが満たされた世界では、この人生の意義や目的こそが逆に「価値」になりつつある
誰もが自分の人生の意義や目標を持てることは当然として、それを他人に与えられる存在そのものの価値がどんどん上がっていくことになる。

 

・多くのミレニアル世代が人生の意義のようなものを探している世界では、内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功しやすくなる。この世界で活躍するためには、他人に伝えられるほどの熱量を持って取り組めることを探すことが、実は最も近道である。

 

「お金」のためではなく「価値」を上げるために働く。つまり、ざっくり言うと、この先は「自分の価値を高めておけば何とでもなる」世界が実現しつつある。

 

大学を卒業するための金銭的余裕のない人間に、プラス大学院に2年通って法律家になるということは難しいと考え、早稲田大学1年の夏に方向転換。2007年に(株)メタップスを設立して代表取締役に就任しました(その後大学を中退)。2011年にアプリ収益化支援事業を開始、世界8拠点に事業を拡大。2013年より決済サービスに上場。累計100億円以上の資金調達を実施し、年商100億円以上のグローバル企業に成長させました。

 

とにかく「この先は『自分の価値を高めておけば何とでもなる』世界が実現しつつある」というフレーズだけにワクワクした方も読んで損はないです。普通の人、特に実績や根拠のない人が同じフレーズを言っても全く心に響かないと思います。が、このような背景、人生を歩んできた著者が言っている、しかもここまで論理的に、さらに明確な根拠を示しながら!
これからのテクノロジーやお金の扱い方、生き方を学びたい方にはかなりおすすめです!

 

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