「『実行の4つの規律』行動を変容し、継続性を徹底する」 クリス・マチェズニー ショーン・コヴィー ジム・ヒューリング
この「『実行の4つの規律』行動を変容し、継続性を徹底する」は、以前に仕事で戦略や目標を「実行するため」に役立つ本として
「戦略を、実行できる組織、実行できない組織。」
を紹介させていただきました。その本の「増補改訂版」です。
前回の「戦略を~」ではあまり触れられていなかった「7つの習慣」との関係性や、フランクリン・コヴィー社の調査結果などが追記されていて読み応えありです!
会社で戦略や目標を立てるけど、最後まで達成できない、ある程度進んだところで、いつも尻すぼみになる。チームのメンバーがそもそも目標をわかっていない、目標を達成するために何をすればいいかをわかっていない。日常業務に追われて本当に重要なアクションが起こせない・・・といったよくある問題が解決できる方法として、本当に役立ちます。チームメンバーからそのチームリーダー、そして部長、役員、社長まで、そういった問題・課題を解決したい方には1冊買って、熟読して実践すれば、かなり高い確率で、「実行できるチーム、部署、組織、会社」に変われます。実行する習慣がつくという意味でとても役立ちます。ぜひおすすめです!
著者は上記「戦略を、実行できる組織、実行できない組織。」と全く同じ3名です。なかでも表紙に出ているのはクリス・マチェズニーで、フランクリン・コヴィー社のグローバル実行プラクティス・リーダー。「実行の4つの規律」の開発者の一人。約10年前からフランクリン・コヴィー社で4DX(the 4 Disciplines of Execution)の開発を主導し、世界各地で4DXのコンサルティングに携わり、何百もの組織に大きなインパクトを与え、目覚ましい成長をもたらした。
この本の内容は、当たり前かもしれませんが、殆ど「戦略を、実行できる組織、実行できない組織。」と同じでした。残念!!。改題・増補改訂したものだから当たり前か。。。ただ、「増補改訂版」ということで、ページ数が417ページから449ページと、約30ページ強増えています。
既に「戦略を、実行できる組織、実行できない組織。」を読み終わっている方でしたら、復習のために、また本を変えて気分を変えるために、この本を読んでいただきたいです。さらに記憶が定着すると思います。私は本書を自宅用、「戦略を~」を会社に置いています。
初めて読まれるなら、本書をおススメします。ハードカバーで頑丈で、中身もパワーアップしているのので。
増補改訂版になったことで、以前から追加されている点は、大きく下記のような点です。
・本当の実行について
7つの習慣における第Ⅰ領域(あるいは第Ⅲ領域)は緊急な対応を求めてくる嵐であり、その中で重要な戦略を実行するのは難しい。
忙しい日常業務をこなしながら、普段の行動を変えるための強い「意志力」が無いと実行できない。(以前紹介したGRIDが必要!)
本当の実行力を身につけるには、4DXを組織の中に取り入れて、チームメンバーの行動変容を促して、実行文化として定着させない限り困難。
・実行ギャップについて
コヴィー博士は、「第8の習慣 効果から偉大へ」(キングベアー出版)の中で、下記のように述べている。
「戦略と目標を見つけ出すことと、それを実行に移すこととはまったく別の事柄である。これを『実行ギャップ』という」
コヴィー社の調査では、
52%が会社の最終目標をわかっていない。
42%しか、仕事の目標を測定できる結果で測られていない。
などいくつかのデータがこの本に書かれています。
(「戦略を~」にはなかったけど、「実行する技術4DX」にはあった)
サッカーで例えると、11人中2人しか何をしたらいいかわかっていない
という驚くべき調査結果がでたのである。
・なぜギャップがあるのか
最大の原因は日々こなしている日常業務や急に割り込んでくる仕事(「竜巻」と4DXでは呼ぶ)。それらのせいでギャップが生まれる。
取り組まないといけない戦略が最も重要な目標とはわかっていても、常に緊急事項が勝利する。そして重要な目標への取り組みができない。そんな日が続く。目標が消える・・・。
では、
「竜巻の日常業務をこなしながら、戦略を実行するにはどうしたらいい?」
それには、組織のコアを鍛える必要がある。コアを樹木で表すと、根は企業を支える一人ひとりのビジネス・パーソンの人格的な部分。そして幹が組織となる。
「7つの習慣」を一人ひとりが身につけることによって、幹として育っていく。そして育った幹にスキルやテクニック、知識といったたくさんの葉っぱをつけていく。
ところが現実は竜巻が吹き荒れている。
葉っぱや小枝を簡単に吹き飛ばしてします。”実”がなる前に裸にされてしまうのだ。
じゃあ、どうしたらいいか?
根がしっかりしていても、行動を変えようとすることや(行動変容)、継続を徹底させる規律がなければ、幹についけた小枝や葉っぱは竜巻に吹き飛ばされてしまう。
つまり日常業務という竜巻の中で戦略を実行するには、ビジネス・パーソンだけの問題ではなく、組織の規律というコアを鍛えていくことが重要。
組織のコアは、フィジカル、マインド、スキルからなる。
それらを統合する規律が必要。
つまり、人格形成という効果性の原則(7つの習慣など)に加えて、戦略を確実に実行するシステム・プロセスや文化が組織に入れる必要がある。でないと、すぐに竜巻に巻き込まれて、重要な仕事に手が付かない、といういつもの毎日に戻ってしまう。
「7つの習慣」は「4つの規律」の土台である。と同時に、「7つの習慣」を貫く原則は「4つの規律」をも貫いている。
「4つの規律」は組織に結果をもたらすプロセス。「7つの習慣」は組織の効果性を高める原則の集まり。
「4つの規律」は実行文化を定着させることで、竜巻の中にいながら最重要目標を達成するための活動を行えるようにする。
「7つの習慣」は、どのような状況においても「影響の輪」にフォーカスし、組織、チーム・個人レベルでリーダーシップを発揮できるようにする。
・その他
知的労働者の時代に求められる規律は、昔の規律とは違う。
それはラフティング と レガッタをイメージするとよくわかる。
またER(救急救命室)とF1チームの規律を考えると、知識労働者に求められる規律をイメージしやすい。
戦略を実行するには、組織としていかに実行文化をつくって定着させるかが重要。
パラダイムを変え、思考・行動を変化させ、行動を習慣化し、集団で規律を習慣化すれば、嵐の中、竜巻の中でも最重要課題である戦略を実行する組織文化をつくることができる。
つまり
「人格形成」×「戦略実行」=「継続した成果」
よって、
「7つの習慣」×「実行規律」=「成果」
4DXの導入事例として、日本の企業をインタビューした形式で書かれていたが、
「戦略~」から ”1社” 増えている。実際に自分の企業に4DXを導入しようとしている私には非常にありがたい増補改訂版だ。
4DX関係の本もこれで4つご紹介しましたが、本当に大きな役立つツール(本書ではWindowsのようなオペレーティングシステムと書かれていますが)を手にすることができるので、最近一押しのシリーズです。
優しさ、読みやすさから行くと
「図解 戦略実行」→「実行する技術」→「実行の4つの規律」→「戦略を~」
深く知ってから実践したい場合は
上の逆の流れがいいと思います。
私のおススメは、
まず「戦略を~」を読んで全体を知って、理解する。そして「実行する技術」を復習も兼ねて読む。するとちょっとした7つの習慣の復習にもなって一石二鳥。そして実践しながら必要なときに「図解 戦略実行」を参考にする。チェックシートとかも見やすいし。
何かあったときにすぐ調べられるように「実行の4つの規律」(本書)を家に置いておく。みたいに使っています。
何をやっても長続きしない、その結果いい成果が出ない、このままではやりがいも無くなっていくし、昇進もきつい などで悩んでいるリーダーや管理職の方、経営者の方は1度はいずれかの本を読んでほしいです。きっと役立ちます。おすすめです!
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