ビジネス書 自己啓発本 「本当に役立つ本」 紹介 !

年間100冊以上好きで読んでいますので、アウトプットしようと決意。できるだけ質のいい、活かせる情報を。

「思考の整理学」  外山 滋比古

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40年近くも読み継がれ、累計販売部数約250万部のロングセラー。
モノの考え方や見方、アイデアの出し方についてこれ以上本質を突いた本は無い。

まるで、現在を既に知っていたかのような文章に圧巻。

思考の整理学 外山滋比古

本日ニュースでこの偉大なる著者である外山氏の訃報が流れました。
先月30日に胆管ガンのため、東京都内の病院で亡くなられました。96歳でした。
心からご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

私が20歳か21歳だったころ、この本と出会いました。


「考える」ということはどういうことなのか、どのようにすれば情報をうまく整理し、活用できるのか、どうすれば得た知識を長く忘れることなく、そして必要なときに思い出すことができるのか、そういったことで漠然と悩んでいたときに、大学生協でこの本と出会い、その後の人生が大きく変わったことを記憶しています。

 

こういった思考方法やアイデア出し、情報の整理・活用、読書の仕方で悩んでいる方にはおススメです。
昭和58年に刊行されたとは思えない鋭い考察は、読んでみるとそのロングセラーとなった理由がわかります。

 

ここ数年、思考法や整理術、読書法関連のビジネス書をたくさん読みましたが、殆ど全てこの本に書かれている内容を噛み砕いたり、最近の企業や環境、そしてビジネスマンに合わせてアレンジされていることにも気づくと思います。

 

著者は1923年生まれ、東京文理科大学英文科卒業。お茶の水女子大学名誉教授。専攻の英文学に始まり、テクスト、レトリック、読書、読書論、エディターシップ、思考、さらに日本語論の分野で、独創的な仕事を続けている。平明で論理的な日本語を開拓したエッセイストとしても定評があった。

 

普段は目次は書かないのですが、その目次からも著者のセンスが窺えるので引用させていただきます。

 

目次

グライダー
不幸な逆説
朝飯前

 

醗酵
寝かせる
カクテル
エディターシップ
触媒
アナロジー
セレンディピティ

情報の”メタ”化
スクラップ
カード・ノート
つんどく法
手帖とノート
メタ・ノート

4

整理
忘却のさまざま
時の試練
す て る
とにかく書いてみる
テーマと題名
ホメテヤラネバ

5

しゃべる
談笑の間
垣根を越えて
三上・三中
知恵
ことわざの世界

 

6

第一次的現実
既知・未知
拡散と収斂(しゅうれん) (※収斂≒収束)
コンピューター

 

あとがき

 

この本のポイントとして記録したいこと

 

・今の学校教育では、グライダー能力はつけられても、飛行機能力はつけにくい。

 

・試験の答案にいい点ををとると、それだけで飛翔力ありと早合点してしまう。

 

・だいたい胃袋に何か入れたあとすぐ、頭を使うことはよくない。

 

・寝て疲れをとったあと、腹になにも入っていない、朝のうちが最高の時間であることは容易に理解できる。

 

・素材と酵素のヒントを混合した日付をメモに記入しておく。そして向こうからテーマがやってくるようになった日付を記入する。その差が寝かせるのに必要だった時間ということになる。

 

・努力をすれば、どんなことでも成就するように考えるのは思い上がり。努力してもできないことがある。それには時間をかけるしか手が無い。

 

・無意識の時間を使って、考えを生み出すということに、我々はもっと関心をいだくべきである。

 

・テーマは1つでは ”多すぎる” 。少なくとも2つ、できれば3つもってスタートしてほしい。

 

・同じ問題について、AからDまでの説があるとする。自分が新しくX説を得たとして、これだけを尊しとして、他をすべてなで切りにしてしまっては、蛮勇に堕しやすい。Xにもっとも近いBだけを肯定しようとするのも、なお我田引水のうらみなしとしない。AからDまでとXをすべて認めて、これを調和折衷させる。

 

・ノートに眠らせておくならば、いくら多くのことを知っていても、その人はただのもの知りでしかない。”知のエディターシップ”、言い換えると、頭の中のカクテルを作るには、自分自身がどれくらい独創的であるかはさして問題ではない。もっている知識をいかなる組み合わせで、どういう順序に並べるかが緊要事となるのである。

 

・頭に浮かんでくることを片端から、ひとつひとつカードに書きとっていく。カードがたくさんできたら、これをカルタとりのように並べる。そして、おもしろそうな順にとっていく。

 

・一般に、うまい説明や表現がないとき、 ”たとえて言えば・・・のようなものだ”
といった形で、われわれは絶えず、アナロジーの方法を用いている。

 

・本当の整理はそういうものではない。第一次的思考をより高い抽象性へ高める質的変化である。

 

・テーマに関連のある参考文献を集める。集められるだけ集まるまで読み始めないでおく。これだけしかない、というところまで資料が集まったら、これを机の脇に積み上げる。これを片端から読んでいくのである。よけいなことをしていては読み終えることができない。メモ程度のことは書いても、ノートやカードはとらない。

 

・記録したと思う安心が忘却を促進するらしい。

 

・読み終えたらなるべく早く、まとめの文章を書かなくてはいけない。

 

・書き留めてある、と思うと、それだけで安心する。それでひととき頭から外せる。考えたことを寝かせるのは、頭の中ではなくて、紙の上にする。

 

・別のノートを用意する。手帖の中でひと眠りしたアイデアで、まだ脈のあるものをこのノートへ移してやる。このノートはあまりいい加減な安ものでない方がいい。

 

・コンピューターには倉庫に専念させ、人間の頭は、知的工場に重点をおくようにするのが、これからの方向でなくてはならない。

 

・価値観をしっかりしておかないと、大切なものを忘れ、つまらないものを覚えていることになる。

 

・自然に廃棄していくのが忘却。意識的に捨てるのが整理である。

 

・気軽に書いてみればいい。まだまだ書けないと思っている時でも、もう書けると自分に言い聞かす。とにかく終わりまで行ってしまう。
そこで全体を読み返してみる。こうなればもう、訂正、修正がゆっくりできる。

 

・書き直しの労力を惜しんではならない。書くことによって、少しずつ思考の整理が進むからである。思考の昇華の方法も自ずから体得される。黙って読まないで音読する。

 

 

パラパラッとめくって、面白そうだな と思ったところだけを読んでも、必ず響いてくる箇所がある。

今の2020年のことをまるで予言しているような内容もある。とにかくこれからリカレント教育、人生100年時代とかで、何か学んでいかなければ!と思っている方、まずは学び方、思考の整理の方法から学んでも良いと思います。きっとその方が効率が良いと思います。ぜひおすすめです。

 

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