30代から読んでおいて損はない。
団塊の世代が退職したこれからの時代、平和な50代を送れる人は少ないかもしれない。
何をもって平和とする?
自分にとっての幸せな50代とは?
そんなことを考え始めるのに、早すぎることは無い。そう思って読んでみました。会社の偉いさんが読んでいたことと、「日経BP」で何回も宣伝されていたのもキッカケになりました。
この本では、様々なビジネスシーンで見聞きする事実をベースに、25の葛藤(かっとう)物語が書かれています。どれも50歳前後の会社員が直面しやすい、人生を左右する「衝撃的な経験」ばかりです。
自分の身にも必ず、どれかのシーン、いずれかの衝撃がくるのだろう、そう思いながらしみじみと読みました。非常に濃い内容で考えさせられました。
これからどう生きるか?どう会社と付き合うか?
そんなことを今のうちに考えてもいいと思います。
(私にとって50代はまだまだ先の先ですが、これからの人生を考えてみるキッカケをくれた ということで役立つ本に入れました)
著者は、コンサルタントであり、青山学院大学経営学部マーケティング学科講師でもある。慶應義塾大学卒業後、博報堂でクリエイティブ、研究開発、ブランドコンサルティング、人材開発を経て2004年に独立。キャリア開発とマーケティングの両面から企業を対象にした活動を行う。
この本も日経BPの書籍です。日経の本で失敗は殆どないです。
今のところですが。↓ 詳細はこちらから ↓
ポイントとして、
・自分で勝手に「限界」を決めない
・新天地では自分を「緩める」ことも大切
・「育成」こそがキャリアを切り開く好機
・「貧乏くじ」も見方によっては「当たりくじ」になる
・「同調圧力」にタフになる
50歳前後でなくても、上のような文章を読むと、色々と思いが巡ってしまう。本当に50歳前後になったとき、自分はその後の人生をどう考えて生きているのだろう、会社ではどんな立場で、どんな仕事をしているのだろう。
そのときになってから考えても遅いかもしれない。だから今から少しずつ考えてみる。日々の仕事の中で、この本のことを少しでも思い出す機会があればラッキーかもしれない。そんな気持ちで読み終えました。
メモしたい文章として
会社の方針ばかりを気にしていても、評価されるとは限らない。だから「自分基準」が重要になる。経験を重ねた人ほど、もう一度自分の「大事にしていること」を思い出して、自分の基準を再構築すべき。
何歳でも「もうひと勝負」は十分に可能なはずだ。若返りを進める企業も多いが、それはミドル世代に対して、「もう一度、頑張れ!」というメッセージの表れでもある。
一定の年齢になったら、「次の役割」を自ら考えなくてはならない。いざ自分のことになると、ついつい後回しにしてしまう。まずは自分の強みをしっかりと自覚しよう。
本当に大切なことは「地位」ではなく「役割」。そういう考えでいれば、自分の持ち味を活かせる「居場所」が見つかる。
「自分たちなりの幸せ」をつかもうとする価値観が若い世代を中心に台頭している。現在の会社で「上を見る」ことへの関心が相対的に薄れている。しかし、それを嘆いても仕方がない。「自分の背中」を見せることで、新しい風土が育まれていくはずだ。
どんな仕事でも誰かの「役に立つ」ことで成り立っている。感謝の連鎖は全ての仕事の本質なのである。役回りが変われば、期待されることも変わる。その時に、自分自身の気持ち、つまり「欲求の質」を見直すといい。働く上での満足度に大きく影響してくるだろう。
キャリアのゴールに向けて、自分を上手に「着地」させていくことが求められる。「心の持ち方」次第で、その人の幸福度は大きく変わっていく。まず一息入れて、これまでのがむしゃらに働いてきた自分を「緩ませること」を意識してみるといい。「枯れる」よりも「小さな花」を咲かしていく感覚。
「自分と会社はそもそも、互いに独立した存在ではないか?」という単純な問いを考えるべき。はたから見ると当然だけど、自分と会社を一体化させていないか?
人生は1度きり。その当たり前のことを、会社生活の岐路では、もう一度自問するべきだと思う。
「自信」が「過信」となれば、場合によっては大きな失敗となる。
自分自身をできるだけ客観的に見る「ものさし」を持つこと。第三者から評価を受ける習慣を続けること。
「叱るか、ほめるか」という技法上の議論よりも、長期的にモチベーションを維持する育成をしないと、具体的な成果につなげることは難しい。「自分の言葉で冷静に語りかける姿勢」が何よりも求められる。
「部下のことを思って」と言いながら、自分の保身を優先する人は多い。しかし、本当に組織全体のことを考えて行動すれば、自らのキャリアが拓けることもある。
部下への振る舞いは、その人の大局観が問われることでもあるのだ。
「自分たちの若い時の話」は、決して規範になるとは限らない。むしろ、「違う時代の人なんだな」という思いを強めさせることもある。大切なのは「未来への目標」を共有すること。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
家族の問題は、自分の仕事に少なからず影響を与える。問題が起きたとき、自分をコントロールできるだろうか。
休みが苦手でも、あえて「仕事っぽく」することで、自分なりの休み方が見つかるかもしれない。楽しみ方はいろいろあるはずだ。
自らの仕事の着地点が見えて来たころに、ようやく自分の仕事について夫婦で話ができるようになったという人の声もよく聞く。そして、改めてお互いのことを知り、仲を深めていくこともある。もう一度「仕事と家庭」を見直すことで、ミドル以降のライフプランに新たな見通しが持てることもある。
著者曰く
50歳というのは「真の自立」のために必要な時期なのではないかと改めて感じる。
現代の日本における「50歳」は、別れの季節の始まりでもある。親を送ることもあるだろうし、子供が自立していくこともある。職場の一線を退いて、今までの地位から離れていくこともあるだろう。また馴染の飲食店が店をたたむようなことも。
これらは50歳ならではの「機会」だ。そう思えば、様々な「別れ」も、真の自立のための自然な過程だと捉えることができる。
今の年齢でこの本に出会い、読めたことをとても幸運だと思いました。何も考えずに50代を迎えるのと、こういった本に触れておく、こういった考えを知っておく、具体的な衝撃を予測しておく、その時の考え方、考動を想像してみる。
いろんな気持ちが一話一話 巡りました。
今の私には実践的では無い本ですが、今後本棚で目に付いたときには読み返したくなる本だと思いました。いざ50歳前後になった未来では役立つだろうと確信しています。30代、40代の方におススメです!
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50歳の衝撃 はたらく僕らの生き方が問われるとき (山本 直人)