最近本屋にいくと必ず目にするこの
「10年後の仕事図鑑」。
堀江さんの本は何冊か読んだことはあるけど、この本役立つ!という実感がイマイチ無かったので距離をおいていました。でもどうしても気になってしまい、ちょっと遅いかもしれませんが購入して読みました。
おもしろく読めました。
何がおもしろかったか?というと、「血液型占いくらいの精度しかないよ」と言いながらがっつりリスト化して、1つずつわかりやすく書かれている「10年後になくなる仕事・減る仕事」。また逆に「生まれる仕事・伸びる仕事」も書かれています。
だからと言って、過去を振り返って「あー、勉強しておくべきだった・・・」とか後悔するために読むのではなく、また未来はこうなっていくのか、じゃあ、自分はどう生きていこうかと想像するために読むのでもなく、「今を一生懸命に生きるための指標として利用してほしい」と書かれています。なんかかっこいいですね。
著者落合氏は、メディアアーティスト、博士(学際情報学/東京大学)。筑波大学准教授・学長補佐。筑波大学デジタルネイチャー推進戦略研究基盤基盤長。電通ISIDメディアアルケミスト。博報堂プロダクツフェロー。著者に「超AI時代の生存戦略」(大和書房)。
堀江氏は既にご存知の方も多いはず。実業家でSNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジンでは1万数千人の読者をもつ。
この本は、最近よく言われている「AIに人間の仕事は奪われる?」、逆に「AIのおかげで増える仕事、価値が上がる仕事は何?」とかをさらっと知りたい方、今後の「お金との付き合い方」、これからの「学校教育について」、「超高齢化社会」への対応、「前向きに21世紀を拓くために、どんな気持ち(マインドセット)で望めばいいか」などを知りたい方には、非常に役に立ちます。最先端テクノロジーと仕事との関係を記した本としては、入門書としては超おすすめです。広く浅く知識を吸収できます。
イラスト付きでとてもわかりやすく書かれていますが、
あくまで堀江氏と落合氏が "本音" で対談しながら制作された本なので、自分が共感する部分だけをしっかりと受け止め、自分の今後の行動に役立たせればいいと思います。
ポイントとして
・自分自身に価値をつけ、フォロワーを獲得せよ
ロボットやAIの方が、人間より精度よく作業ができ、考えることもできる未来。我々はどう働き、どう生きるか。
「存在自体にヒトに訴求力がある人になればいいだけ」
未来においては、平凡な人、何にも役に立たない人の価値は下がり続ける。不要になっていく。だから自分自身に価値をつける、つまり多くのフォロワーを獲得できる人間にならないといけない。
これからは、「基本的に人と違うことをやっていく」精神が重要。ブルー・オーシャン的な思考と戦略が必要。自分しかやっていないけど、正しいことをやっていると信じ、他人とムダに競争することをやめる。
「そこから先に自分がどういう価値をそこにプラスできるか?」
を考えるマインドセットでいけばいいだけ。
・「AIによる職の代替=不幸」のロジックを持つ人は、自分の価値をAIと同じレベルに下げて落としてしまっている。その点でダサイ。
仕事を奪われて価値を失うことを恐れる前に、「AIを使いこなし、価値を生み出す」視座を持ちなさい。
・AIに「仕事を奪われること」で救われる業界
例えば、介護業界。
少子高齢化による人手不足などをロボティクスの技術で解決し、人間にできることは人間がやる。この「半人力 半AI」の考え方で少子高齢化問題の多くは解決できる。なぜなら、それは労働力不足と低賃金であることが問題の要因だから。
つまりお金や人員が「適材適所」になっていないことが原因であるところには、半AIで解決できることが多い。
・理想形は、労働者=経営者
同業者メンバーが ”皆で” 労働力を当てはめるという点がポイント。経営者がトップダウンで指示し、労働力を当てはめる考え方ではない。「労働者=経営者」で、価値あるものを皆で一緒に作り出そうと努力する考え方がポイントである。
労働者的な視点で会社と接点を持つのは危険。いずれ価値が失うかもしれないから。これからは「労働者=経営者」の構図が理想的な働き方。これは非中央集権や受益者負担とも近い考え方。(前回紹介した「産業革命以前の未来へ」によく似た考え!)
・むしろそれくらいの意識がないと会社に残ることすれ難しい可能性がある
個人でできることも増えている今、会社にしがみつくというよりも、「個人で仕事をしてもいいんだけど、会社にいるほうが自分のやりたいことができるから、会社にいる」などと、自発的に会社を選択する人も増えるかもしれない。むしろそれくらいの意識があったほうがいい。
・ブルーカラーがホワイトカラーよりも有利な点
ブルーカラーの派遣社員は、どれだけ働けば、いくらもらえるかがわかっている。容易に人生観測ができる点がそうだ。自分の経済価値が算出しやすい。
今後提供価値が見えづらいホワイトカラーの正社員は、ブルーカラーに転職し、1時間いくらといった時間換算できる仕事を提供するのか、もしくは会社にとって重要な経営陣を目指すのか、毎回解き方が違う問題を扱う人になって、より高度な価値を提供するのか、いずれかの選択肢を選ぶことが求められる。
・自分の運用方法を考えよう
「今の仕事があるからいい」というのではなくて、実際にそこで得た経験や知識をどう運用していくか、どのように運用するとよりお金になるか?といったことも意識するといい。複数の収入源をもつことにつながる。今の時代は昔よりだんぜんそういったことがしやすいのだから。
・代替不可能な価値は、仕事ではなく趣味で生み出せ
「100万人に1人のレアな人材になろう」と教育改革実業家で元リクルート社フェローの藤原和博氏はいう。(私も以前ご紹介した「必ず食える1%の人になる方法」を引用されていました!嬉しい。)
しかし、100万分の1なんてオリンピックの金メダリスト級の確率。だから100人に1人のレアさを3つの分野で達成すれば、100分1×100分1×100分1という掛け算で100万分の1のレア人材になれるというもの。
そして、この3つの分野では「遊びのプロになる」ということが大切。もはや「本気で遊ぶように働く人」だけが生き残っていけるからだ。
・学生は「polcaおじさん」に甘えよう
不特定多数から支援をつのるクラウドファンディングに対し、URLを知っている人のみが支援できる ”フレンドファンディング” のこと。「手術が必要なので費用を募りたい」、「おじいちゃんの還暦祝いにプレゼントを買いたい」、「家族と久しぶりに旅行に行きたい」など、日常で資金需要が発生した際に、友人、知人に限定して支援を募ることができる。
昔は予算をとらなけらばならなかったことが、今ではカジュアルにお金を集めることができる。余ったお金が若い人に還元されやすくなっている。学生はもっとpolcaのような投げ銭型のサービスを利用して、世代を超えてお互いに価値を回していこう。
・自分の頭で思考するクセのつけ方
自分でできるだけ多くの情報に接することが先ず必要。そして情報を仕入れたらツイッターやフェイスブック、ユーチューブ、ブログ・・・なんでもいいから毎日そこから発信し続ける。それだけで情報を有機的につなげることができ、自分の思考を鍛えることができる。
・とにかく自分を信じる
「年金は将来もらえるんでしょうか?」「日本は今後どうなるのでしょうか?」
堀江氏の答えは「知らない」だ。
みんな「問い」が間違っている。あなたが問うべき対象は未来ではなく他でもない、「自分」だ。
「自分が求めているものは何か」「やりたいことは何か」「今、この瞬間、どんな生き方ができたら幸せか」。そのような問いに対する答えを真剣に考え抜くことが大切。そして自分を信じて判断し、行動すること。あなたはとにかく「今」の自分を信じればいい。
ポイントでは、今後無くなる仕事や伸びる仕事について、具体的に引用しませんでした。そこは興味をもった方にワクワクしながらじっくり読んでいただきたいです。
この本を読んで、少なくともAIやブロックチェーンなどにおびえることなく、逆に「どんなふうにAIを使いこなしていこうかな」という考え方にシフトできたことが一番大きかったです。
結局「超独学法」での示唆にもありましたが、環境が大きく変わるときには、特に自ら学ぶことが大切。そして何を学ぶか、何を知りたいか、それにどう価値をもたせるか、ということを考えていかなければならない。そういったことを学ぶ前のスタート本としてもおススメです!
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10年後の仕事図鑑 新たに始まる世界で、君たちはどう生きるか